技術情報

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イベントレポート

Xen Summit North America 2010

概要

当初、日程は一週間早く予定されていたそうだが、もしそのままだったらアイスランド火山の影響で中止の可能性もあったようだ。そんな中、今回のXen summitの発表は、時代の流れに合わせて仮想化そのものだけでなく、クラウドなどの上位レイヤーの話も多かったのが目立った点のように思える。参加者は60~70名程度、発表27件であった。

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1日目

  • Xen Community Update:
    • Ian Prattratt
    • 定例どおりまずはプロジェクトリーダ、イアン・プラットの発表。Xen4.0の新機能として、FTを実現するRemusとSR-IOV対応が紹介された。また、XCP(Xen Cloud Platform)、XCI(Xen Client Initiaitve)に関する本格的な推進の方向性を示した。
  • Xen Hypervirsor Project Update:
    • Kier Fraser(Citrix)
    • Xen summitでは毎回あるプロジェクト状況の紹介。今回は運営には大きな変更はなくこれまで通りのリリースを行なっていく予定。Xen4.0の新機能としてはcredit2、cpu poo、guest numa、nested virtualizatoin、libxenlight、oxenstoredが挙げられた。
  • Virtualizatio Future:
    • Tom Woller(AMD)
    • 今サミットのホストであるAMDの発表であり、AMD IOMMUv2の紹介を行なった。IOMMUv2はATS 1.1 PTSをサポートし、IO page fault後、dma restart等が出来るようになる。興味深いのはIOMMUv2では2段ページテーブルになり、guest virtual addressからguest physical addressへの変換が可能になった点である。これによりguest内ユーザプロセスに安全に直接デバイスを操作させる事が可能になる。specificationが1週間程度で公開と言っていたが、まだ公開されていないようである。
  • SleepServer System:
    • Yuvraj Agarwal(UC San Diego)
    • エネルギー消費を減らす大学の研究報告である。初めノートPCを対象にUSBデバイスとして実装したものをサーバー向けにソフトウェアで実装した。面白かったのは実際に大学キャンパスでの電力消費量を測定しており、実際のユーザの使用状況が反映されていた。
  • Energy Efficient Storage in Virtual Machine Environment:
    • Lei Ye(Department of Computer Science、 University of Arizona)
    • 新規の研究発表としては、Linux IO scheduler及びpage flusherをparavirtualizeして、ドメイン間で同時にディスクIOをする事によりディスクの使用する電力を減らす試みがあった。特にpage cache flushするタイミングを同じにする点に着目できる。
  • Xen Cloud Platform Update:
    • Jonathan Ludlum(Citrix)
    • XCPプロジェクトの紹介。
    • オープンなクラウド発展の期待が持たれるXCPであるが、実は水面下においてCitrix主導の下、プロジェクトは着実に進行している。また、賛同の志を持った、企業の関与も増えてきているようだ。一般的なOSSコミュニティーとは異なり、企業単位で機能の開発が行われていることから、メーリングリストの参加人数やメールの本数だけでは、プロジェクトの活性度合いが測れない。これからはstable/unstableの2本立てリリースで年2回のリリースを目指す(目先は2010年6月末/2010年12月末を予定)。また、ロードマップをより明確にする為に、XCP開発メンバーで、定期的なConferenceが実施される予定。我がVA Linuxも微力ながら後押ししていきたい。
  • XRM: An Event-based Resource Managemetn Framework for XCP:
    • Pradeep Padala(NTT Docomo USA Labs)
    • XCP上にリソースマネージャーとシミュレータを実装した実験結果が紹介された。
  • PVOps Update:
    • Konrad Rzeszutek Wilk(Oracle)
    • PVopsのLinux上流マージの状況がの紹介された。これまではJeremyが行なっていたが、Konradも手伝っていくという事なのだろう。地道に作業を進めていく様子。マージには時間がかかりそうであるが、彼らのリポジトリには新機能も取り込まれている。
  • Xen Scheduler:
    • George Dumlap(Citrix)
    • 彼が取り組んでいるcredit2 schedulerについて紹介された。コードはマージされたが、まだcreditを置き換えるまでのものには至っていない。
  • libxenlight:
    • Stefano Stabellini(citrix)
    • 2日目に予定されたが、都合により1日目に変更された。libxenlightによって、既存のxend、libvirtなどのコードを単純化する事を目指す。

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2日目

  • Arm status update:
    • Sang-bum suh(SumSung)
    • xen/armの状況がアップデートされた。multi-coreとsuper-section mappingが新機能である。割り込みとcontext switchのレイテンシを測定しておりusオーダーであった。更にはpreemptionも必要と言っていたのは興味深い。
  • go grid & Xen:
    • paul lappas(GoGrid)
    • GoGridの事例が紹介された。Xenを使用してIaaSを提供している。現状では、まだI/O帯域の抑制を保証する事は難しそうである。
  • Open Source Cloud Compuring:
    • Bernard Golden(HyperStratus)
    • 自動車業界へのアナロジーとしてクラウド業界の発展の方向や社会的側面についての発表。発表後の質疑応答も非常に活発であった。
  • Supporting Soft-Real time tasks:
    • Shalini Yajnik(Avaya labs)
    • VEE 2010で発表されたもの。vcpuスケジューラのsoft real-time拡張についてであり、IOバウンドかつレイテンシが重要になるメディアサーバーをアプリケーションとして評価を行なった。
  • Embeded and Communication workloads:
    • Don Banks(Cisco)
    • Embedded用途でのXenの採用が紹介された。ルータ用途なのでRAS、scalability、flexibilityが重要となってくる。また、IOSなどのlegacy RTOSをゲストで動作させたりしている。
  • Graphics Passthrough Challenges:
    • Allen Kay(Intel)
    • グラフィックスパススルーの状況についての報告。Intelではグラフィックスドライバー部隊と話をしてXen環境もテストに含めて貰うようにしたそうである。ゲストブート時コンソール出力が問題となる。rom biosを抜き出す事で回避可能であるが一般ユーザにそんな事は要求できない。そのためブート時はqemu vgaコンソールを使用し途中から切替える事を検討している。
  • Improving Paravirtualized I/O Performance with EPT based Page Flip:
    • Jun Nakajima(Intel)
    • 完全仮想化ドライバドメインを提案。特に64bit HVMドメインは64bit pvドメインより性能が良い。これまでPVではメモリコピーを行なっていたが、予備的なベンチマークではEPTを使用したpage flippingで良い性能がでる事が分かった。詳細な性能分析はこれからということである。
  • Guest Numa Support:
    • VM Memory Allocation Scheme and PV NUMA Guest
    • Dulloor Rao(Georgia Institute of Technology)
    • ゲストNUMAサポートの話。今後はHVMドメインとPVドメインのコードを共通化してマージさせていく。
  • Update on Transcendent Memory in Xen:
    • Dan Magenheimer(Oracle)
    • 彼がこれまで開発してきたtmemの紹介であり、前回からpage deduplicationが入っている。tmemはフラグメンテーションを激しくする為Xen側の対応が必要とのことである。
  • Evloving New configuration tools for IOV network devices:
    • Mitch Williams(Intel)
    • SR-IOV対応NICサポートの報告であった。細かい設定が問題になったが、一つ一つ対応していくいう説明。

次回のXen Summit Asiaは、日本、中国に続き韓国ソウルでの開催となります。11月2~3日の日程でSamSung及びKorea Universityがホストを務める予定です。

また、今回のXen Summitでは、VA Linuxからは本記事の筆者である山幡と高橋が発表を行いました。プレゼンライブラリーにて公開していますので、ご参照ください。

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