オープンソース需要拡大に伴う事業の強化 ～VAリナックス、プロフェッショナルサービス事業を強化～

VA Linux Systemsジャパン株式会社 (本社:千代田区神田錦町3-24、代表取締役社長：上田 哲也、以下VAリナックス)は、2002年3月より、Linux/オープンソースソフトウエア(以下、オープンソース)に関するプロフェッショナルサービス事業を本格的に開始していますが、オープンソースに対する企業ニーズと本事業の市場認知浸透を受け、好調に推移しています。特に、大型受注案件増にともない、11 月末現在、プロフェッショナルサービス事業の売上げは、今年度下期の成長が上期に対して約3倍となっており、急速にオープンソースビジネスが増大してきております。

この背景には、従来、オープンソース導入のネックとされていた安定性や性能面は、SourceForge.net/SourceForge.jp※1などのオープンソース開発支援サイトの誕生により開発環境が改善され、品質の高いオープンソースが出現してきていること、また、企業のITコスト削減という潮流の中、オープンソースに対する企業の関心が高まってきていることにあります。

※1 SourceForge.netは米国OSDNが運営する世界最大級のオープンソース開発支援サイト。SourceForge.jpは当社OSDN事業部が米国OSDNと提携・運営する日本版のSourceForge.netです。

VAリナックスでは、(1)性能改善(2)拡張性(3)高可用性(高稼働率)(4)コスト削減と企業のITに対するニーズを明確化し、オープンソースで培った技術力を使ってこれらのニーズを満たすために、プロフェッショナルサービスを提供しています。

　具体的な事業成果としては、大規模メールシステム(数十万～数百万アカウント)の構築という受注に対し、ユーザ数に応じたライセンス費用が発生する商用ソフトウェアを使用せず、最適なオープンソースを選択・強化・高性能化し、当初予算の約４割の大幅なコスト削減を実現しました。このシステムでは、機能毎の冗長化も施され、さらにトラフィック増に対して単純にハードウェアの追加のみで対応できるように設計されており、拡張性、耐障害性ともに富んだシステムとなっています。また、Linuxを用いた製品の開発では、Linuxカーネルそのものをチューニングし、通常Linuxカーネルの約2倍のパフォーマンスを実現しました。そしてその成果は、コミュニティに対して還元し、次期バージョンへの反映という形でLinuxの改善に貢献しています。また、Linuxの障害分析については、すでにカーネルトレーサーやメモリダンプ機能を用い、カーネルのソースコードを解析できる技術者が障害分析を行い、複数の企業ユーザのシステムトラブルを解決しています。

このようにプロフェッショナルサービス事業ではこれまで培ってきたカーネルチューニング(NFS性能改善など)、Linuxの障害・性能分析、OpenLDAP※2やUltraMonkey※3などの要素技術のノウハウをもとに、オープンソースを各企業ニーズに合わせチューニングし、エンタープライズレベルのシステム及び製品として稼動できるサービスを提供しています。

※2 OpenLDAPはディレクトリサービスを提供するオープンソースソフトウェアです。
※3 UltraMonkeyはクラスタシステムをソフトウェアレベルで実現するオープンソースの負荷分散ソリューションです。

なお、VAリナックスでは、これら技術ノウハウをさらに蓄積し、オープンソースベースのシステム導入やLinuxベースでのエンタープライズ向け製品の開発を検討している新規企業、政府機関、教育機関、自治体等に向けて積極的にアプローチし受注拡大を図っていきます。また、これに合わせて人員・体制を強化し、プロフェッショナルサービス事業で、来期は今期比３倍の売上高を見込んでいます。