VA Linux Systems Japan株式会社(本社: 千代田区神田錦町3-11、代表取締役社長:上田 哲也、以下 VAリナックス) は本日、株式会社NTTデータ (本社:東京都江東区豊洲3-3-3、代表取締役社長:浜口 友一、以下 NTTデータ) と共同で、Linuxを用いたシステムの故障・障害時における確実な情報収集と解析を行うことが可能なLinux故障解析ツールを開発し、平成16年度中の実用化を目指すことを発表します。

このLinux故障解析ツールは、オープンソース・ソフトウェアを活用したシステムの故障時において、UNIXをベースとしたオープン・システムに比べて弱いとされていたミドルウェア-OS-ハードウェア間の障害原因の切り分けやデッドロック等の問題を、故障時の自動的な内部情報の全記録と内部情報の高度な分析を行い、本質的な対策を行うことにより解決します。

主な機能、特徴は以下の通りです。

問題発生時に確実な情報収集を実現

万が一の際や想定外のケースの障害であっても、確実にOSやアプリケーション、ミドルウェアの情報をダンプ情報として記録する仕組みを有しており、原因究明に迅速に着手することが可能。

専用ハードウェアを使用せず、低コストで障害解析を実現

VAリナックスとNTTデータが必要なノウハウを結集し、全ての情報収集機構をソフトウェア的に実現します。専用のハードウェアを必要としないため、低コストでの実装が可能。

アプリケーションを含む全情報を分析可能

既存のダンプ収集機構では、主としてデバイスドライバやカーネルの問題修正に注目した機構になっていたため、OSの核となるカーネルの情報収集にとどまっていましたが、このLinux故障解析ツールでは、アプリケーションを含む全情報を記録可能にすることで、アプリケーション-ミドルウェア-OS-ハードウェアが複雑に絡み合う障害であっても原因究明が可能。

解析技術者が迅速に分析できる解析ツール

障害の根本的な原因究明を行うためには、故障やダウン発生時のダンプ情報の分析・解析を必要としますが、この解析はLinuxやオープンソース・ソフトウェアの内部構造を熟知したトップレベルの技術者でなければ不可能です。これまでLinuxのダンプ分析は基本的なデバッガツールで行われていましたが、今回開発するLinux故障解析ツールは解析技術者が必要とする情報を明示的に表示することができ、高度な解析技術者がこのLinux故障解析ツールを活用することにより、より迅速に原因究明を行うことが可能となります。

今回のNTTデータとの故障情報収集ツールと解析手法および解析ツールの共同開発とそのツールの使用により、Linuxシステムにおける問題発生時において、確実に原因を突き止め、解析を行い、再発の防止につなげることが可能となります。これにより、Linuxシステムの運用面での信頼性がより強化され、エンタープライズ市場におけるLinuxやオープンソースを活用したシステムをユーザはより安心して使用することができるようになります。

このリリースに対し、VAリナックス 代表取締役社長 上田哲也は次のように述べています。「今回の共同開発は、エンタープライズ市場において要求される高い信頼性をNTTデータが有する大規模システム構築のノウハウとVAリナックスのLinuxカーネルを中核とする国内における圧倒的な技術力を組み合わせて実現するものです。両社の共同開発により、Linuxを使用したシステムの信頼性が格段に上がり、エンタープライズ市場におけるLinuxの地位が揺るぎないものになると確信しています。」 

■ ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社について
ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社 (以下、VA Linux) は、各種 OS や仮想化技術、クラウド基盤構築に関連する OSS をはじめとした多岐にわたる事業分野で利用されている OSS について、高度な技術と経験を基盤に、技術コンサルティング、開発支援、障害解析サポートを提供する企業です。
VA Linux は、2000年9月に設立され、Linuxカーネルや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースに Linux およびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けており、SCSK グループ企業としてオープンソース・ソリューション推進の先導役となっています。
詳しい情報は、https://www.valinux.co.jp/