VA Linux Systems Japan株式会社(本社: 千代田区神田錦町3-11、代表取締役社長:上田 哲也、以下 VAリナックス) と新華Linux有限公司 (Sun Wah Linux Limited:中国江蘇省南京市、以下新華Linux) は本日、両社が協調してユニバーサルなOS 開発プロジェクトである「Debian Project」に対して開発面での貢献を強化し、また日中両国の市場においてDebian GNU/Linuxをベースとしたシステムの採用の推進を共同で行っていくことで合意し、戦略提携したことを発表致します。

今回の提携は、VAリナックスの日本国内では他に類を見ないLinuxカーネルを中核としたサーバ技術と、新華Linuxが持つアジア圏を中心とする国際化技術を中心としたデスクトップ技術を組み合わせ、両社でDebian Projectへの貢献を強化することにより、両者の強みを活かしながら同時にDebianGNU/Linuxの世界的な市場でのプレゼンス向上を図ることを目的としたものです。また、開発面でのDebian Projectへの貢献だけでなく、両社は共同で日中両国でのDebian GNU/Linuxベース・システムの採用を推進し、日本国内では通信およびエンタープライズ市場、中国国内では政府、公共市場向けのプロモーション活動を行います。

現在、VAリナックスには6名のDebian Official Developerが在籍し、その中にはDebian Kernel Teamでも活躍する負荷分散ソフトウェア「UltraMonkey」の開発者であるSimon HormanやGNOME、Mozilla関係のメンテナーである北目拓郎を含みます。新華Linuxには、2名のDebian Official Developerが在籍し、その中にはOpenI18NのSteering Committeeメンバーであり、国際化フレームワークのスペシャリストであるRoger Soが含まれます。

このリリースに対し、VAリナックス 代表取締役社長 上田哲也は次のように述べています。「日本を含むアジア地域においてはオープンソースに関する期待が高まる一方ですが、その流れにおいて真に自由でユニバーサルなOS であるDebianの価値は図り知れないものがあります。VAリナックスとしては、我々の顧客に対してもう一つの選択肢として『自由に使え、顧客によってカスタマイズ可能なOS?としてのDebianに期待しています。今回の提携によって、よりDebianが様々な用途において進化し、日中両国におけるオープンソース採用を強力に押し進めることになると確信しています。」

また、新華Linux有限公司 CEO のAlex Banhは次のように述べています。「アジアにおけるオープンソース運動は、次なる爆発的な成長に向けて勢いを蓄積しつつあります。『協力?は、いかなるオープンソースプロジェクトにおいても成功に不可欠です。私は、日本のVAリナックスと力を合わせてDebianの開発をさらに加速させられることに興奮しています。技術的な発見や戦略的マーケティングが可能となるのに加え、今回のパートナーシップによって我々は、近い将来Debian公式開発者の数を二倍にするという目標を掲げ、両国のDebianスペシャリストを育成していくことができるでしょう。」

続けてBanhは以下のように述べています。「Debian Projectは極めて堅固なオープンソース・ディストリビューションであり、新華Linuxのビジネスにとって不可欠な一部分となっています。Debianは真のオープンソース精神を鼓吹しており、我々のお客様にかけがえのない価値を提供しています。私は、中国におけるDebianユーザ数の増大を予測しており、また今回のVAリナックスとの戦略的提携がお互いの国においてオープンソース・ソリューションの開発と受容に多大な貢献をすると確信しています。」

■ 新華Linux有限公司 (Sun Wah Linux Limited) について
新華Linux有限公司は、独立系のオープンソース・ソフトウェア・デベロッパであり、 Linuxを基にしたシステムによるソリューションを提供しています。アジアにおいてLinux開発の堅固な土台を確立することにより、新華Linuxは、お客様のニーズに合わせたソリューション、トレーニング及び教育、シームレスなシステム統合、当地域におけるオープンソース・ソフトウェア開発や展開の受容を加速する開発ツール等のサービスを提供します。弊社は、アジアにおける先導的なオープンソースソリューションプロバイダになることを目標としています。
■ 賛同メッセージ
私どもは常々、中華人民共和国と日本国の企業が技術とその応用諸分野、特に情報技術(IT)の基幹技術において協力し合うということを、大変重要視して参りました。私は、今回の新華Linux(中国)とVAリナックスの協働は、 Linuxおよびオープンソース・ソフトウェアの応用を加速するであろうだけでなく、IT業界における両国のより良いコミュニケーションにも資するところ大と確信しております。

 

謝正義 (Xie Zhengyi)
江蘇省 情報産業庁 副庁長 / Deputy Director of Jiangsu Information Industry Department

 

我々CSIAは、中華人民共和国と日本国の企業が、Linuxに関する豊富なリソースと強みを活かして深い技術的協力関係を構築することを支持します。我々は、新華Linux(中国)とVAリナックスの協働が両国におけるLinux技術の受容を促進すると信じて止みません。

 

胡崑山(Kunshan Hu)
中国ソフトウェア業界協会 副理事長兼秘書長 / China Software Industry Association Vice Chairman and Secretary General

 

NTTコムウェアは、このたび発表されたVAリナックス、新華Linux(中国)の戦略提携を歓迎します。この提携により、アジア地域でのLinux市場の拡大と優秀なオープンソースソフトウェア(OSS)エンジニアの輩出が促進されることを期待します。NTTコムウェアは日本国内においてエンタープライズレベルのLinuxソリューション拡大をリードすると共に、北東アジアOSS推進フォーラムおよび日本OSS推進フォーラムにおいてOSS人材育成の日中韓連携を促進するWG活動を展開していますが、中国OSS推進連盟の有力メンバーで、中国において産学官プロジェクトを強力に開拓している新華Linuxは日中韓連携のキーパートナーであります。NTTコムウェアは、今回の両社の提携が日本と中国におけるOSS採用推進だけに留まらず、アジアから世界に羽ばたくOSSエンジニアの育成に寄与することを確信しています。

 

長野宏宣
NTTコムウェア株式会社 取締役 オープンソースソフトウェア推進部長

 

NTTデータは、このたび発表のVAリナックス社と新華Linux(中国)の戦略提携を歓迎いたします。北東アジア地域におけるエンタープライズ市場において、GNU/Linuxおよびオープンソースソフトウェアの採用が加速されるとともに、技術者の育成・強化とグローバル開発コミュニティの活性化が図られることを期待しております。また、これにより、顧客から信頼されるシステムの提供基盤がより強固になると確信しております。

 

山田 伸一
株式会社NTTデータ 取締役 オープンソース開発センタ長
■ ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社について
ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社 (以下、VA Linux) は、各種 OS や仮想化技術、クラウド基盤構築に関連する OSS をはじめとした多岐にわたる事業分野で利用されている OSS について、高度な技術と経験を基盤に、技術コンサルティング、開発支援、障害解析サポートを提供する企業です。
VA Linux は、2000年9月に設立され、Linuxカーネルや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースに Linux およびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けており、SCSK グループ企業としてオープンソース・ソリューション推進の先導役となっています。
詳しい情報は、https://www.valinux.co.jp/