VAリナックスのLinuxカーネル開発への実績

VAリナックスのLinuxカーネルに対する代表的な開発事項としては、Zerocopy NFS、Memory hotplug、Mini Kernel Dumpの3つが挙げられる。Zerocopy NFSについては、全てのコードが現在の安定リリースであるLinuxカーネル2.6に取り込まれている。 Memory hotplugについては、次期リリースでの取り込みに向けて活溌にカーネル開発コミュニティと議論を続けている最中である。また、Mini Kernel Dumpについては、 NTTデータとの共同開発プロジェクトの一貫として2004年10月13日に公開されている。

これらの他にも多くのLinuxカーネルに対する多くの改良等を行っているが、VAリナックスでは、これらの開発活動の他、 VAリナックスの一事業部であるOSDNジャパンを通じて毎年国内のカーネル技術者の育成のために「Linux Kernel Conference」を開催している。 Linux Kernel Conferenceは、カーネル関連の技術者が毎年300名以上集まる国内最高峰の技術イベントである。また、VAリナックスでは、毎年世界中から重要な開発を担っているカーネル技術者だけが50名ほど招待されて開催される「Linux Kernel Developers Summit」に毎年参加者を送り出している。Linux Kernel Developers Summitは、今後一年のカーネル開発の方向性に多大な影響を与える重要な会議であるが、日本国内から参加者を送り出せている企業はVAリナックス以外には未だに存在していない。 2004年度のオタワでのSummitでは、VAリナックス 技術部の 岩本 俊弘 が「Hot Plug Memory and CPU」のセッションチェアマンを任された。

 

■ Zerocopy NFS

NFSサーバがREADリクエストを処理する際、Linuxカーネル2.4ではページキャッシュからNFS送信用バッファへいったんメモリコピーを行う。それをプロトコル層でさらにソケットバッファにコピーし、そのうえでネットワークドライバが送信処理を行っていた。Linuxカーネル2.6では、ページキャッシュに使われているページを直接プロトコル層に渡し、可能であればそのままネットワークドライバまで渡すように改良された。これにより、無駄なコピー処理のオーバーヘッドが削減されるのはもちろん、プロセッサ内部のキャッシュメモリからほかの有用なデータが追い出されることが減る。 Linuxカーネルにおいての実装は、VAリナックス 技術本部長 高橋 浩和 がメインで担当した。

 

■ Linux memory hotplug

メモリホットプラグ機能は、システム運用中に動的にメモリモジュールの追加や削除を行なえるようにする機能である。高可用性を求めるエンタープライズクラスのシステムで求められている。メモリのホットプラグ機能は、デバイスのホットプラグ機能と異なり、実現までには多くの課題がある。メモリモジュール上に配置された重要なデータを、そのメモリモジュール削除後にも継続して利用可能な状態におくことが設計上のポイントである。

参考URL
http://people.valinux.co.jp/~iwamoto/mh.html 
http://people.valinux.co.jp/~taka/hpageremap.html

 

■ Mini Kernel Dump

Mini Kernel Dumpは、Linuxシステムの障害発生時に自動的に内部情報の全記録を外部の記録装置に行うためのクラッシュダンプ機能である。既にLinuxシステムでは、LKCD、netdump、diskdumpといったクラッシュダンプ機能が存在するが、これらはダンプの出力をそのLinuxシステムで使用されている既存のデバイスドライバを使用するなど、Linuxカーネルがもはや信用できないという障害発生時においてLinuxカーネルが正常に動いていることを前提として設計されているという大きな矛盾を抱えている。Mini Kernel Dumpでは、これらの問題を解決するために、システム障害時に障害が起きているLinuxカーネルとは別の小さなダンプ取得専用のLinuxカーネルを起動してダンプを行うという、既存のLinuxカーネルにまったく依存せずダンプを採取する手法を用いている。また、Mini Kernel Dumpでは、既存のLinuxカーネルに対する修正が非常に少ないため、ダンプ機能の組み込みのためのハードルは低く、またデバイスドライバの修正が必要ないためどのようなハードウエア構成のシステムでも動作するという特徴を持つ。

参考URL
http://sourceforge.net/projects/mkdump/
http://mkdump.sourceforge.net/

■ ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社について
ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社 (以下、VA Linux) は、各種 OS や仮想化技術、クラウド基盤構築に関連する OSS をはじめとした多岐にわたる事業分野で利用されている OSS について、高度な技術と経験を基盤に、技術コンサルティング、受託開発、インテグレーションとソフトウェアソリューションを提供する企業です。
VA Linux は、2000年9月に設立され、Linuxカーネルや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースに Linux およびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けており、SCSK グループ企業としてオープンソース・ソリューション推進の先導役となっています。
詳しい情報は、https://www.valinux.co.jp/