VA Linux Systems Japan株式会社(本社: 千代田区神田錦町3-11、代表取締役社長:上田 哲也、以下 VAリナックス)は本日、オープンソースをベースに高信頼性、高可用性、高性能、拡張性を実現し、中小規模の組織から100万アカウントを越えるような大規模ネットワークサービスプロバイダでの利用までをカバーするトータルなメッセージングソリューション「VA FMS」(正式名称:VA FlexMessaging Solution)を構成する製品群に高機能Webメールサーバ「FlexWebmail」とWebインターフェースによるユーザ/メールアカウント管理を実現する「FlexControl」が新規に追加されたことを発表します。

FlexWebmailは、IMAPに対応した高機能なオープンソースのWebメールツールとして一定の地位を築いているSquirrelMail (http://www.squirrelmail.org/)を元に日本語対応度を高め、独自にリリースを行っているRisuMailに対して、さらに独自の改良を加え、VAリナックスの独自Linux OS「VA Core」と一体化されたWebメールサーバ製品です。SquirrelMailの特徴である設定の簡易性、大規模対応も可能な高可用性、便利なアドレス帳機能等を引き継ぎながら下記の改良を行っています。

 

  • ユーザ数・メッセージ数が増えた場合に想定されるIMAPサーバへの負荷を軽減させ、安定して高速に動作させるために、FlexWebmail側でキャッシュを持たせる改良。
  • 通常のdisk quotaだけではなく、IMAPのGETQUOTAROOTコマンドによるQUOTA情報の取得に対応。QUOTA制御をしているIMAPサーバでもQUOTAグラフが表示可能。
  • 検索機能を改善し、メッセージの検索で複数の条件を組み合わせて、より高精度に目的のメッセージを抽出することが可能。
  • 重要なメッセージにフラグを付けられるフラグ機能、メッセージの状態 (既読、未読、返信済み等) のアイコン表示、ボタンの追加等によるユーザインターフェースの改善。

FlexControlは、VA FMSで構築された大規模メールシステムのユーザ/メールアカウントに関する各種情報/設定を管理者/オペレータ/ユーザがWebインターフェースを通して行うためのツールであり、VA Coreと一体化で提供されます。ユーザアカウント作成/削除、パスワード変更、転送設定、自動返信設定、フィルタリング設定、受信拒否設定、メール一括削除、エイリアス設定、メールボックス容量変更、ウィルスチェックフラグ変更といった機能が実現されています。

VAリナックスでは既にVA FMSを通信事業者、ネットワークサービスプロバイダおよび大企業等を主な対象とした販売活動を積極的に展開していますが、今回発表のFlexWebmailとFlexControlがVA FMSの構成製品群に加わることで、より幅広いメールシステムへの要望に応えられる製品ラインを実現したと考えています。FlexWebmailおよびFlexControlの営業活動は本日より開始し、製品提供は2005年9月からとなります。

このリリースに対し、VAリナックス 代表取締役社長 上田哲也は次のように述べています。「VA FMSは、VAリナックスが保有するLinuxとオープンソースソフトウェアに関して他社には真似のできないソースコードレベルの技術力と大規模システム構築のノウハウを結集したメールシステムのソリューションですが、これまで提供してきた基盤部分の上にFlexWebmailやFlexControlのような新しい機能が実現されることで、より多くの顧客に対してVAリナックスの信頼性の高いソリューションを提供できるチャンスが広がることを大いに期待しています。」

なお、今回発表したFlexWebmailとFlexControlについては、2005年6月22日、23日に赤坂プリンスホテルで開催される「VA Linux Business Forum 2005」の展示コーナー内にてデモンストレーションを行う予定となっております。

■ VA FMSについて
VA FMS(正式名称:VA FlexMessaging Solution)は、VAリナックスの技術力を用いて不足機能及び高トラフィック処理対応のチューニング等を施すことで、100万アカウント規模での運用にも耐えられるオープンソースベースのメールシステムとして誕生したトータルなソリューションです。MTA、POP、IMAP、SPAM対策等の機能をカバーする複数のオープンソースソフトウェアをベースとしたソフトウェア製品の組み合わせで構成され、中小規模から大規模までの様々な形態のメールシステムに対して、柔軟なソリューションを提供します。

 

VA FMSを構成する製品は、postfixをベースにVAリナックスが改良を加えた高性能メール配送エンジン「FlexMail」、Maildir対応の独自POPサーバ「FlexPOP」、Courier-IMAPを元に大規模メールシステム向けの改修を行ったIMAPサーバ「FlexIMAP」、フレキシブルにSPAMメールを排除可能な独自のMTA向けSPAM対策ソフトウェア「FlexGuard」であり、VAリナックスの開発による負荷分散ソフトウェア「VA Balance」、LDAPディレクトリサーバ「VA Directory」、基盤OS「VA Core」と組み合わせることを前提としています。これにより、システムを構成する全てのソフトウェアを一体提供することが可能となり、VAリナックスの技術陣によるカーネルを含めたソースコードレベルからの一元化された顧客サポートを実現します。

 

また、VA FMSは、メールシステムの各機能(MTA/IMAP/POP/LDAP/NFS等)毎にコンポーネントを分散していることで、ユーザ数やトラフィックの増加に対し、該当するサーバやディスクを単純に追加するだけでシステム全体のパフォーマンスを向上させることが可能という優れた拡張性を持ち、規模/トラフィックに応じた柔軟なサーバ構成の設計を実現します。さらにシステムを構成する全ての各機能が動作するサーバが完全冗長化構成を取ることを前提とする設計となっており、高信頼性・安定性を実現します。また、キャリアおよびエンタープライズグレード確保のための様々な機能改良および追加を実施していることで、堅牢かつ高性能なシステムを実現しています。
■ ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社について
ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社 (以下、VA Linux) は、各種 OS や仮想化技術、クラウド基盤構築に関連する OSS をはじめとした多岐にわたる事業分野で利用されている OSS について、高度な技術と経験を基盤に、技術コンサルティング、開発支援、障害解析サポートを提供する企業です。
VA Linux は、2000年9月に設立され、Linuxカーネルや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースに Linux およびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けており、SCSK グループ企業としてオープンソース・ソリューション推進の先導役となっています。
詳しい情報は、https://www.valinux.co.jp/