VA Linux Systems Japan株式会社(本社: 千代田区神田錦町3-11、代表取締役社長:上田 哲也、以下 VAリナックス)は本日、オープンソースをベースに高信頼性、高可用性、高性能、拡張性を実現し、100万アカウントを越えるような大規模ネットワークまでをカバーするトータルなメッセージングソリューション「VA FMS」を構成する製品群の一つであり、フレキシブルにSPAMメールを制限可能なMTA向けSPAM対策ソフトウェアである「SMTPGuard」をオープンソース・ソフトウェアとして公開したことを発表いたします。

SMTPGuardは、フレキシブルにSPAMメールを制限可能にするSMTPサーバ上で動作するSPAM対策ソフトウェアです。SMTPセッション中に得られるIPアドレス、MAIL FROM、RCPT TO等のパターン、回数といった情報をもとに、あらかじめ定められたルールによってポイントの計算を行い、MTAが受信拒否、セッション応答遅延、管理者への警告メール送信といった適切なアクションを行うことを可能とします。これにより、SMTPサーバに対してウイルス等を含むSPAMメールの異常な流量が発生した場合、その流量を特定IPアドレスや送信元からメールシステムにとって安全な流量にフレキシブルに制限をかけることが可能となります。また、制限のためのポイント加算条件やその条件に達した際のアクションについては、フレキシブルに定義が可能であるという特徴もあります。

SMTPGuardは、既に100万アカウント規模の国内ISP のメールシステムにおいても採用されSPAM対策における高い評価を得ているという実績があり、大規模なメールサーバを運営する企業やネットワークサービスプロバイダのメールシステムに対して柔軟なSPAM対策のソリューションとなります。

SMTPGuardの公開は、SourceForge.netに開設されたFlexGuard Projectのページにて行われており、ソースコード、バイナリパッケージ、ドキュメントが公開されています。また、VAリナックスでは、SMTPGuardがDebian GNU/Linuxの公式パッケージになることを目指してITP (パッケージ・アップロード提案) をDebian Projectに対して既に行っており、1、2週間以内にDebian公式パッケージになる見込みです。

VAリナックスでは、ソースコードを広く一般に公開することで、幅広いフィードバックが得られ、SMTPGuardの安定性、信頼性が増すことを期待しています。

このリリースに対し、VAリナックス 代表取締役社長 上田哲也は次のように述べています。「今回のSMTPGuardの公開は2005年6月のFlexPOPの公開に続くものとなりますが、既にVAリナックスではVA FMSに関連する他のコンポーネントにおいても多くの改良をオープンソースコミュニティに還元しています。VAリナックスの技術力とオープンソースの基盤が結び付くことで、より信頼性の高いオープンソースのソリューションが実現される世界になることを期待しています。」

■ VA FMSについて
VA FMSは、VAリナックスの技術力を用いて不足機能及び高トラフィック処理対応のチューニング等を施すことで、100万アカウント規模での運用にも耐えられるオープンソースベースのトータルなメールシステムです。

 

MTA、POP、IMAP、SPAM対策等の機能をカバーする複数のオープンソースソフトウェアをベースとしたソフトウェア製品の組み合わせで構成され、数万アカウント程度の規模から大規模までの様々な形態のメールシステムに対して、柔軟なソリューションを提供します。

 

VA FMSを構成する製品は、postfixをベースにVAリナックスが改良を加えた高性能メール配送エンジン「FlexMail」、Maildir対応の独自POPサーバ「FlexPOP」、Courier-IMAPを元に大規模メールシステム向けの改修を行ったIMAPサーバ「FlexIMAP」、フレキシブルにSPAMメールを排除可能な独自のMTA向けSPAM対策ソフトウェア「FlexGuard」であり、VAリナックスの開発による負荷分散ソフトウェア「VA Balance」、LDAPディレクトリサーバ「VA Directory」、基盤OS「VA Core」と組み合わせることを前提としています。これにより、システムを構成する全てのソフトウェアを一体提供することが可能となり、VAリナックスの技術陣によるカーネルを含めたソースコードレベルからの一元化された顧客サポートを実現します。

 

また、VA FMSは、メールシステムの各機能(MTA/IMAP/POP/LDAP/NFS等)毎にコンポーネントを分散していることで、ユーザ数やトラフィックの増加に対し、該当するサーバやディスクを単純に追加するだけでシステム全体のパフォーマンスを向上させることが可能という優れた拡張性を持ち、規模/トラフィックに応じた柔軟なサーバ構成の設計を実現します。さらにシステムを構成する全ての各機能が動作するサーバが完全冗長化構成を取ることを前提とする設計となっており、高信頼性・安定性を実現します。また、キャリアおよびエンタープライズグレード確保のための様々な機能改良および追加を実施していることで、堅牢かつ高性能なシステムを実現しています。
■ ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社について
ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン株式会社 (以下、VA Linux) は、各種 OS や仮想化技術、クラウド基盤構築に関連する OSS をはじめとした多岐にわたる事業分野で利用されている OSS について、高度な技術と経験を基盤に、技術コンサルティング、開発支援、障害解析サポートを提供する企業です。
VA Linux は、2000年9月に設立され、Linuxカーネルや仮想化に関するグローバルレベルの技術力をベースに Linux およびオープンソース業界を牽引する中核企業として成長を続けており、SCSK グループ企業としてオープンソース・ソリューション推進の先導役となっています。
詳しい情報は、https://www.valinux.co.jp/