5月12-16日の5日間にわたり米国アトランタで開催されている OpenStack Summit および Juno Design Summit で議論された内容を箇条書きで速報します!
VA Linuxは、主に Neutron (OpenStack Networking) に関する開発者会議に参加しています。また、14日 (水) 16:30 より「Flavor framework for advanced services」(Neutron) のセッション内で、弊社技術者 岩本が「Virtual Resource for Service Chaining」と題したディスカッションを行います。
後日、改めて詳細なレポートを掲載いたします。⇒ 7月22日 レポートを公開しました。
- 各セッションスケジュールについて
各セッションの概要は OpenStack Summit スケジュールリストをご参照ください。- OpenStack Summit May 2014 Atlanta: http://openstacksummitmay2014atlanta.sched.org/
- Juno Design Summit: http://junodesignsummit.sched.org/
- Etherpad について
本記事中に記述のある Etherpad については、OpenStack コミュニティサイト上に各プロジェクト毎にリンクがありますのでご参照ください。- Summit/Juno/Etherpads: https://wiki.openstack.org/wiki/Summit/Juno/Etherpads
- Neutron Etherpads: https://wiki.openstack.org/wiki/Summit/Juno/Etherpads#Neutron
速報: 第5日目 (5月16日)
swift distributed tracing method and tools
- API の実行時間の測定
- 細かいレベルで調べて性能改善に繋げたいということのよう
- どうやって実装するか等の議論
- 後半はシステムの負荷をまとめて監視する話
Ops Meetup: Database
- OpenStack が使う Database をどう構成してるかという話
- 出席者が次々と自分はどうやって構築しているかを話す
- schema が開発環境しか考えてなくて大規模運用に適してないので、直す必要がある
- DocImpact タグは Deployer 用に半年くらい前に始めたんだとか話してる
- DB クラスタを負荷分散する話
- rollback が heavy だとか言っている
- 詳細は、Etherpad を参照
Neutron Group-based Policy
- 淡々と説明している。
- Congress というプロジェクトがあるらしい
- 複雑すぎるんじゃないとか言われている
- API とか UI がどうとか話してる
– どこまで Neutron でやるべきか? - “contract” というのが1つのキーワードなのだがよく分からない
Combined FWaaS and VPNaaS Discussion
- Bug を直してよと言っている
- L2VPN は複数の neutron network をつなぐ問題であるとか
– コードを何ヶ月も前にあげたのにレビューされてないとか怒ってる - Firewall を Ceilometer で測るという話もあるのか
- 今日は妙に Neutron Sessionが混んでいる
LBaaS – advanced capabilities SSL L7 rules
- 質問が出てはいるが揉めることなく進んでいる
- 早く終わった
Hierarchical Network Topologies
- 物理ネットワークトポロジをどう利用しようかという山幡氏の話
- TripleO がどうとか、OpenDaylight がどうかとかいう話になっている
- VDP (802.1QBG)
- Dynamic network segments in ML2
– なんかもめてる - refactor ML2 type driver
L3 Vendor plugins
- Plugin 側の話
– どういう機能が必要か? という話をしてる - Ceilometer でやればとも言われていたが違うと思う (by 岩本)
Dynamic Routing for External Connectivity
- 前半は pluggable external network の話
– IPアドレス節約のためのものらしい - dynamic routing
– BGP は重いからルータでやれよとか言われている
Design Summit feedback
- 前回は大きめの部屋で立ち見が出るくらいだったのだが、今回はそんなに人がいなかった
- 次回のパリは全部で6日間の日程
速報: 第4日目 (5月15日)
Towards better testing
- coverage は良くなったので、これからは scenario test
- ssh接続テストにひどいバグが残ってるらしい
Sharing the load of operational responsibilities
- Core の仕事は何かの議論
- Reviewer を Assign するのはどうかという話
- 数千行パッチがあったら一体どうやって Review するのかと話している
- 弊社の山本が回線から切り離されて哲学的になっていたので生成文法とかシニフィエとか言語ゲームとかを説明しておいた。(by 岩本)
Loadbalancer as a Service (LBaaS)
- Eugene Nikanorov 氏が淡々と説明している
- obj. model の図があまりに複雑だったため会場から苦笑。細かいツッコミが入っている
- API deprecation cycle, Pool, Listener の話
- v4 v6 で subnet_id がここにあったほうがいいとかそういう話
Modular Layer2 Agents
- ovs firewall とか OFAgent の話
Network Policy Abstractions in Neutron
- 一般セッション。立ち見がいた
- group-based policy の話
- network centric API を Application Centric にしたい
- tenant が policy を作る
Hypervisor power management (Nova Session)
- 何か施策をして電気を節約しましょうという話
- あまり良い考えではない (Nova でやることではない) という意見
- 時間を半分くらい残しておわった
rpc proxy (oslo.messaging) (Oslo Session)
- AMQP を proxy すると Security Implication があるので大変
- Marconi がいいんじゃないかと言われている
- Trove でも同じような問題があるらしい
- Rackspace も VM で実装したルータを持っている
- 早く終わった
Nova V3 API (Nova Session)
- 参加者が少ない
- V3 の何が良いかは http://ozlabs.org/~cyeoh/V3_API.html を参照
- nova-network を V3 に入れるかどうか
- V2.1 を作るべきかで議論している
– メンテナンスコスト低減のために V2 を V3 API を上に実装するというアイデア
【その他 雑感】
- Neutron の飲み会に参加、色々な方とご挨拶!
速報: 第3日目 (5月14日)
New policies for Neutron in Juno
- 昨日の LBaaS の会合で見たような顔ぶれが参加している。今日は一日中同じ会議室で Neutron のセッションが続くので、この辺の人達は固定だろう
- Etherpad と Wiki に重点リストがある
– 参考: https://wiki.openstack.org/wiki/Governance/TechnicalCommittee/Neutron_Gap_Coverage - Etherpad に plugin deprecation のことが長々と書いてあるが metaplugin の前に時間切れ
- Testing
– Jenkins CI Job のEmailが多い - 最後に core members の紹介
Code Review Process Improvements
- core を増やすべきだとか core の負荷は高すぎる等、不満が多く出ていた
AMQP 1.0 protocol driver (Oslo Session)
- Apache Qpid の Ken Giusti 氏がプレゼン
- 様々な利点
– いろいろな実装が使える
– 性能向上
AMQP1.0 は broker いらない – peer-to-peer protocol - proton library というのを使って何かやってるらしい
- 性能を測っていろいろ話していた
– 暫定的な性能評価: Exploring the scalability of RPC with oslo.messaging (PDF) - ちょっと試してみたくなるくらい結構性能が良くなっている
ML2 Juno Roadmap
- ML2関係は3つのセッションにまとめられた。このセッションはその内の一つ目。
1. Roadmap
– 個別セッションのない ML2 の bp を簡単に説明してみんなに知ってもらう
– oda-g のもリストにあがってたが特に誰も説明せず2. ML2 sync
– mech driver が複数あり、どれかが失敗した時の処理がいけてない
– fail したのは db 上で覚えておいて時々 sync を試みる3. Extensions in ML2 Drivers
– mech driver レベルで extension を指定できるようにしたい (今は pluginレベル) - error handling
– Google Docs にあることを説明している。これだめじゃないかと質問がきたら Weekly Subteam Meeting でやろうと切りあげ
Refactoring the Neutron Server Core
- Inheritance の濫用にうんざりしている人が割りといるようだ
- 現状の neutron server core にどういう問題があってどうしようかという話
Nova-Net to Neutron migration
- nova-network から neutron に migration するにはどう実装したらいいかという話
– migration なので当然動かしたままやる
– ネットワークが一時的に不通になるのはまあしょうがないということで… - 途中でエラーになった時はどうするの?と質問してる人がいたが、明確な回答がなかった。Etherpad にはこの事が追記された。
- nova-network から neutron にVM をあげたまま切り換えられるようにしたい
- そもそも OpenStack の他の部分はまともに Live Upgrade できるのだろうかと疑問に思った (by 山本)
- 外から見ると Nova が一番実装が進んでいるように見えるがどうなのだろう (by 岩本)
Integrating Tasks into Neutron
- API が同期的だったり非同期的だったり混乱しているので、全部非同期にしようという話
- API call では neutron db の変更だけを行って、現実を db に合わせるのは非同期にやる
- Etherpad の DB transaction とか async/sync API のところが凄い勢いで編集されている
- ML2のセッションでも同じような話をしてた気がする
Flavor framework for advanced services
- Service Chaining などの話
- 昨日のPod Area でのディスカッションの続き…というか再現。これはいけません。
- そもそも advanced service の定義は何だろうか
- service insertion は速すぎて何が何だか伝わらなかったのではなかろうか
- 岩本の時間は5分。発表内容に誰か興味を持ってくれる人がいるといいな。
Neutron Distributed Virtual Router Progress Update
- これは Juno の目玉である nova-network parity の実現に必須だが、本当に入るのかな感があった
- eNovance のデモでやってたのと同じコードとのこと
- east-west routing
– VM 間の routing - north-south routing
– 外の世界とのrouting (floating ip, snat, …) - 両方とも Phase I でやるらしい
- internal router毎にnetns (Linux Network Namespace) を作る
【その他 雑感】
- Red Hat Evening Event: World of Coca Cola を貸し切ってのパーティーに参加
速報: 第2日目 (5月13日)
Keynote by Mark Collier (Chief Operating Officer, OpenStack Foundation)
- Icehouseリリース
– プロジェクトも増え、Contributorも増えてきている。
– ソースコードの変化の可視化のビデオがカッコいい - 全ての企業がStartupと競争しないといけなくなっている
- 企業サイクルがますます速くなってきており、Creative Destruction すべき
- S&P500の 75% は 2017年までにシステムを入れ替えるであろう。それには OpenStack で適しているので、We’are Lucky.と話していた
- 事例紹介として、AT&T、Sony Computer Entertainment の紹介
- AT&T Toby Ford 氏
– 電話会社の要求にあった OpenStack の利用を行っており、特にネットワーク仮想化、SDN が重要。
– 既存のネットワーク Appliance 手法から NFV (Network Functions Virtulization) 手法に変わってきている。
– Suits だらけの大企業だと思われているかもしれないけど、Open Source を使うようになっている - Sony Computer Entertainment America Joel Johnston 氏
– PS4 のクラウドに 24H365D の Workload に対応できる OpenStack を利用
SolidFire Keynote: The Data Center Becomes the Computer: The Role of OpenStack in the Next Generation Data Center
- 元 Rackspace の人が始めた会社
- データセンターのあるべき姿を説明
– Agile
– Scalable
– Automated
– Predictable - それには彼らの Solid Agile Infrastructure が合っていると宣伝
- 事例として、eBay を紹介。最後に、Dell と Red Hat も登壇し協業をアピール
Canonical Keynote
- Your cloud の発表。ユーザがすぐに利用できるクラウド環境を構築するのに必要なリソース (基盤ソフトウェア、ツール、サービス) を Ubuntu OpenStack に構築して提供。1日 15ドル/1サーバで管理保守します。
- JuJuの紹介 (アップグレードした機能)
– Landscape を使うと簡単にインストールできますと実演 (確かに1分ちょっとでで出来ていた) - 新ハードウェアのサポート
– ARM64 のアプライアンスの紹介
– IBM の Power8 もサポート開始 (パートナーシップの締結)
– 今年中に Hyper-V も対応 (会場がざわついた)。パートナーとして CloudBase社をビデオ紹介
– cross-distro LXC (Linux Container) のサポート - 事例紹介として、NEC、Time Warner Cable をビデオ紹介
The Future of Python Support
- 1つのソースで Python2 と 3 に対応する方針を議論
- いつまでにどうするという話、メンテナンスはいつまでやらないといけないのとか
- いまは SLES があるから 2.6 は消せないが、K ではできるはず
- Python3は messaging library と asyncio が大問題
– これらが解決しないといつまでにどうするとはいえない
- 以下に記載の Pod Area でのディスカッションについては、Design Summit の公式セッションではなく、非公式の場での内容であることをご了承ください。
- 下の写真がNeutron Pod Area です。各公認プログラム毎にこの様な席があり、各プログラムが自由に使っていいそうです。左側の写真を撮ったときは誰もいませんでしたが、LBaaS Discussion の際には70名ほど集まっていました。
LBaaS Discussion at Neutron Pod
- HP Cloud の Susanne Balle 氏が司会
- Neutron とは別プロジェクトにして、もっと活発に活動できるようにしたいという議論
- Neutron は fixing neutron ばかり
- Neutron Core は混乱気味
- 別プロジェクトにするかどうかは中長期的に考えよう (3 release cyclesくらいで)
- コアメンバーを育てようという話
- Juno版の目標は以下のような感じで進めたい
– Better Abstraction
– Well Define Interface
– Clean REST API for User - 木曜日のセッションでBasic API (External User API) について Agree したいと話していた
AdvancedServices at Oslo Pod
- 30人くらい集まっていた。Neutron Pod が混んでいたので Oslo Pod で始めた
- Flavor, Service Insertion, Service Chaining などの話
参考URL: https://wiki.openstack.org/wiki/Neutron/AdvancedServices - Flavor Framework: 使いたい機能を指定したら実装を勝手に選んでくれるようなものか?
– 実装毎の細かい違いがあるだろうし、あまり使い物にならないのではという印象。ものすごく細かく指定する感じなのだろうか?
– Flavor Framework は要するに feature bitmap の matching なのに non-exact match がどうとか30分も盛り上ってる。おそらくとても簡単にする方向でまとまるはず - Service Insertion: ServicePort というのを使うものになったようだが、反対意見もあり。
– 確かに抽象化しすぎで、これでどうパケットが流せるのかよく分からない。
– ServicePort とは何なのかとか、fabric はどうなってるのかとか、NeutronPort ではだめなのか議論を繰り返していた - Service Chaining: Service の組み合わせ方の話
みんな疲れきったところで岩本の番。
- advanced service は unchained なら well-defined なはずである
- advanced service を重ねるときは virtual router_id というのを定義した上で、virtual router_id を使って unchained 状態と同様に定義してやればいいはず
- router_id じゃなくて service_id をそのまま使えばいいんじゃない? という意見を頂いた
- 明日行うディスカッションに期待
【その他 雑感】
- vARMOURが近所の水族館を部分的に貸し切ってパーティをしていました。
- HP Evening Eventにも行ってきました。
速報: 第1日目 (5月12日)
Keynote: Rise of the Superuser
- 今回は4,200人が登録したとのこと。前回が3,000人なので約1.5倍に拡大している。Keynote は1,000人以上は参加しており、満席で大盛況だった
- OpenStack Foundation, Executive Director Jonathan Bryce氏
– 昔、アトランタに住んでいて、ここで最初にソフトウェア開発をしたらしい
– Operatorが600人くらいきているはずだからfeedbackしてほしい
– code reviewプロセスについては、review.openstack.org を紹介していた - Wells Fargo Bank, Head of Private Cloud Enablement Glenn Ferguson氏
– Wells Fargo Bank は Financial Service として、Security、Complianceを順守しなければならず、OpenStack を Private Cloud として利用している
– 私たちが OpenStackの何に興味を持っていて、どんなユースケースなのかをコミュニティに知ってもらう事が大切 - Walt Disney Company Director, Cloud Services & Architecture Chris Launey氏
– Good, Fast, Cheap という OpenSource の中で、Fast, Fast, Fast (開発に関して) という観点でOpenStackを利用している
Rackspace Keynote: Just Rebels? Or A Rebel Alliance?
- Rackspace は Openstack を Planet Scale Cloud OSとして位置付けており、TRUST + Contributionをこれからも実施していく!
- Rackspace Cloud は Nova, Swift, Cinder, Trove, Heat, Neutron, Galance, Keystone に関してサービスを行っている Distribution の紹介
- OpenStack は Proprietary Cloud Vendors に対する反乱軍だという話
- コストやスケール、サポート、ハードウェア、ユーザビリティのそれぞれに特化したクラウドを作ることができる
Dell Keynote: Innovation in the Enterprise, Powered by OpenStack
- Dell は Red Hatと共に宣伝。Dell の Starategy は Enable Private Cloud, Delivering Multi-cloud Management, Supplying Hardwareとの事
- Red Hat は ストレージサービスに Gluster に Ceph を加えたことと、Management Platformとして Red Hat CloudForms (ManageIQを買収) を紹介
The Future of OpenStack Networking
- 大盛況で立ち見だった
- 最後の方を少しだけ聞いたが、RyuとOFAgentはごっちゃにされていた
Using OpenDaylight Within an OpenStack Environment
- Red HatのBrent Salisbury氏が OVSDB プロジェクトについて話していた
https://wiki.opendaylight.org/view/OVSDB_Integration:Main - OpenDaylightのGUIがTopologyの絵が出たりしてカッコいい
- TenentにCoke Pepsiとか名前をつけてた
Ops Meetup: Upgrades and Deployment Approaches
- Etherpadで何かやっていて、Design Summitっぽい。ちゃんと聞けばおもしろそうなセッションだった
- ある方によると、どのコンポーネントから新しくしたらいいかよく分からないという話だったらしい
Security for Private OpenStack Clouds
- Neburaの方がプレゼンをしていた
- Securityは人気がないのか、空いてる
- 途中から参加したが、 Control Planeが乗っ取られると大変だとか、VMはEntropyが足りないから対策しないとだめよとか、なるほどねということを話していた
Ops Meetup: Architecture Show and Tell, Tales and Fails
- Bloowberg とか SAP とかでどう運用してるかという話
- NeutronにL3 HAがないため、Bloomberg は nova-network
- VRRP (keepalived) でどう冗長化したかという話をしていた
- SAP は Swift の話
High Availability in Neutron – Getting the L3 Agent Right
- L3 Agent の HA や Scheduler の話
- L3 Agent Healthcheck は、2つの L3 Agent Nodeがお互いにHealthcheck して切り替える
- eNovance でどう運用してるかという話かと思ったが Neutron に手を加えてどうこうという話だった
- パッチでてるから試してみてねとか言ってたが、DVRもう動くようになっていたのか
- 質疑応答が活発なセッションだった
【その他 雑感】
- レジストレーションの様子。時間が早かったのであまり混んでいないように感じました。
- Market Placeが10:45に開場しました。入口は混雑していたがとても広いです。右下の写真は開場前の写真。