VA Linux Systems Japan株式会社 (以下、VA Linux)は、The Linux Foundation主催のアジア地域における最大の Linux カンファレンスである「LinuxCon Japan 2012」(6月6日~8日、パシフィコ横浜にて開催)に参加し、OpenFlowプロトコルとコントローラに関する発表およびポストコピー型の仮想マシンライブマイグレーション技術であるYabusameに関する技術発表を行います。

「LinuxCon Japan」 は、日本、アジアおよび世界中から Linux/OSS の開発を牽引するコミュニティリーダーやトップクラスのエンジニア、ビジネスリーダーおよび業界エキスパートが結集し、さまざまな観点での講演や議論を通じてLinux/OSSの発展を促進することを目的とした、国際技術カンファレンスです。
弊社の発表概要および発表資料は以下の通りです。
(講演スケジュールは予告なしに変更される場合があります。予めご了承ください。)

発表概要

タイトル Software Defined Network, Openflow Protocol and its Controllers
日時 2012年6月6日(水) 15:30-
発表者 VA Linux Systems Japan株式会社  山幡為佐久
発表概要 近年、Software Defined Network (SDN)の概念およびSDNを実現する技術の一つであるOpenFlowが注目されている。
これらの技術は、スイッチを管理するプロトコルの標準化によるexperimental protocolテストベッドの作成、また、ネットワーク仮想化ソフトウェアを利用した自動化によるネットワークの運用コストを削減する上で重要となる。新たな技術として、OpenFlowの技術を利用したソフトウェアの開発が活発になっている。
本発表では、SDNおよびOpenFlow、OpenFlowに対応したOSSの仮想スイッチであるOpenvSwitchについて解説する。また、OpenFlowコントローラの動向とゴールについて考察する。
本発表は、これらの技術に精通している必要はなく、概要を把握したいユーザを対象としている。
発表資料 Software Defined Networking, openflow protocol and its controllers
PDF(341KB):

 

タイトル Yabusame: Postcopy Live Migration for QEMU/KVM
日時 2012年6月7日(木) 11:30-
発表者 VA Linux Systems Japan株式会社  山幡為佐久
発表概要 ポストコピー型の仮想マシンライブマイグレーション技術は、障害を最小限にとどめ、瞬時にVMの実行ホストを切り替えることができる、マイグレーション方法の一つである。
また、マイグレーションのプロセス全体は、通常のライブマイグレーションよりも基本的には短いため、VMを利用した負荷分散や省エネに多大な恩恵をもたらす。
学術研究として実装することはできたが、アップストリームへのマージやプロダクションユースとして設計されていなかったため、それらに対応できるように再設計し、実装を行った。特に、pre-copy approachによって利用できない非同期のページフォールト処理を可能にした。
本発表では、開示可能な状態であるQEMU/KVMライブマイグレーションにおける新設計と実装について解説し、デモムービーを用いて評価結果を紹介する。
本発表は、仮想化技術に精通しており、新機能に関心がある開発者やアドバンスド・ユーザーが対象となる。
発表資料 Yabusame: Postcopy Live migration for QEmu/KVM
PDF(681KB):

 

【山幡為佐久のプロフィール】

XenやKVM、QEMUなどの多数のオープンソース・プロジェクトに参画し、積極的なパッチ投稿を行っている。こうしたコミュニティへの貢献により、VA Linuxが日本の企業として初めてXenアドバイザリーボードのメンバーとなり、山幡がメイン担当者となる。
現在に至るまで、Xen/IA64 メンテナーとして、Xenにおけるpv_ops のサポートや、ia64/pv_ops/xenのサポートに貢献し続けている。
また最近では、KVMやQEMU、クラウド関連技術の向上に携わり、またOpenStackやOpen vSwitch、OpenFlowの開発にも従事している。