概要

11月20日から21日の2日間のスケジュールでアジア初の開催となる「Xen Summit Japan 2008」が開催された。オフィシャルスポンサーを務める富士通社の幕張システムラボラトリを開催場所とし、地理的・時間的にこれまで参加が難かしかった日本在住のXenプロジェクト参加者にとっては、非常に有意義な2日間となった。弊社からも、高橋、Simon、山幡がチェアマンとなり各セッションを担当した。

1日目

  • Andrew Warfield
    • Services in the Virtualization Plane
    • UBCでの研究成果の報告であり非常に面白かった。RemusとParallaxは既に論文が公開されているものであったが、Tralfamadoreは現在進行中のものだそうで興味深い。
    • VM logging & replayであるがディスク変更も保存するそうだ。実行履歴の統計がとれたりreverse debuggingができるそうだが、はやくコードが見てみたいものである。

 

 

  • Yoshiaki Tamura
    • Modernization of Kemari Using HVM with PV drivers
    • 前回のXen Summitでの発表の続きであった。無事、HVM domainへのポーティングが終了し、発表当日パッチの公開もされた。.めでたい! ご苦労さまでした。

2日目

  • Naoki Nishiguchi
    • Evaluation and Consideration of the Credit Scheduler for Client Virtualization
    • d esktop virtualizationではビデオ再生などの為にsoft real timeが重要になる。その為のCredit schedulerへの拡張の話であった。発表では触れられなかったが、どの様にデータ採取したとか、評価方法などその辺りが気になった。
  • Takahiro Shinagawa

    • Introduction to the BitVisor and Comparison with Xen
    • Secur VM ProjectによるBitVisorの紹介であった。
  • Sang-bum Suh
    • Xen for Mobile Devices
    • Xen Summitで毎回発表している感があるarmの話であった。今回は発表している方だけでなく実際開発している方々も来ていたようで喜ばしい。
  • Kenji Kono
    • VMM-based Approach to Detecting Stealthy Keyloggers
    • Foxy Techniqueの応用例で、Foxyという命名は相当お気に入りの様だった。時間を加速するというのは非常に面白い。
    • 検知できなかった一種類のkey loggerがあるという事だが、この方法をとればFoxy KBDでは検知できなくなってしまうという事を言っているのではなかろうか?

 

  • Hitsohi Matsumoto

    • Proposal for pvSCSI Driver Extension
    • pvSCSIの話とHVM domainへのPCI passthourghの二つの話であった。特にHVMドメインでのSAN-bootのデモは好評であった。この辺りはまだまだやる事が沢山あるようだ。
  • Yuji Shimada
    • Development of the I/O Pass-through: Current Status and the Future
    • PCI passthroughはまだまだのようで、今後も作業が多いようである。発表者が呼びかけていたように一企業だけでなく広く協力できていけたら良いかと思う。

 

総評

CPU仮想化は一段落した感があり、企業による発表ははIO仮想化の話に集中していた。一方アカデミックではAndrew Warfieldの講演に代表されるような対象ゲストに対して何かを行なうものが多く興味を引かれるが、企業では難しいのかも知れない。

 

今回のXen Summit Japanでは、VA Linuxからは3名のスピーカーが発表を行いました。

資料をPDFにまとめましたのでこちらからもお読みいただけます。
プレゼン資料『Block I/O bandwidth Control ブロックI/O帯域制御』 (PDF:251 KB)
プレゼン資料『paravirt_ops/IA64 status update』 (PDF:114 KB)
プレゼン資料『ネットワークI/O帯域の隔離』 (PDF:339 KB)